仲間 | ◆短編ブログ小説◆

仲間

 秒と持たぬ間に仲間達が次々と斬り殺されていく。あれだけいた仲間

も刻とその数を減らしていった。しかも、相手は一人だ。

 三日の如く鋭い刃物を構えその男が不敵な笑みを浮かべる。手が伸び

てくる。り降ろされた刃の向こうに仲間の死骸が増え続けた。自分はた

だ椅子に座、そんな仲間たちを眺めることしかできない。目の前の鏡。

鏡越しに、男様子を伺う。男は刃物を選んでいるようだ。どれだけの時

が過ぎたのか。に仲間が減っていく。それを、まるでゴミを捨てるかの

ように処理する、しい女。今までありがとよ。最後に仲間へ呟いた。

「こんな感じでいいしょうか? さっぱりしましたねぇ」

 久し振りの散髪だ。っきりした気分で美容室を後にした。